建築学部の特長

君には君の[建築]が、きっとある。きっと見つかる。 「建築って、なんだ!?」という問いに対する答えは、たぶん、人それぞれ。[建築]に携わる者ひとりひとりに、自分なりの[建築]のフィールドがあり、道がある。専門分野を最初から決める必要はない。1・2年次の専門基礎教育では、建築の多彩な魅力に触れることができる。専門分野を見きわめるのは、それからでいい。

建築学部の7つの特色

1)生産・供給者の視点だけでなく、ユーザーからの視点の導入

従来の建築教育は、建築をつくり、供給する側からのアプローチが教育内容のほとんどでした。建築やまちを供給者とユーザー双方の視点から捉えるためには、より広範な領域の知見を総合化することが求められます。建築学部ではこうした双方の視点からものを見ることができるようになる教育に力点を置きます。

2)社会ニーズに対応できる総合的な教育

建築学部は3学科体制で、1学年300名、専任教員30数名という国内で最大規模のスケールです。規模の小さな他大学の建築学科や本学のこれまでの学科・コースに細分化した教員配置に比べて、新しい分野にも対応できる多様な教員をそろえ、総合的な建築教育の体制を確立します。

3)学生の幅広い興味や社会の多様性に応じた専門教育

建築学部の3学科にはそれぞれに4つの分野があり、合計12分野で構成されています。3,4年次には、いずれかの分野に軸足を置きながら、関連する他学科・他分野の科目も合わせて履修して、興味のある領域をより深く学んでいくことができます。3年進級時には、学科を移動することも含めて選択する仕組みを取ることで、受験時の興味とのミスマッチを修正していくこともできます。これによって、学生それぞれの興味と適性にあった、最大限の教育効果を得ることが可能となります。

4)多様なバックグラウンドを持つ受験者層の受け入れ

建築学は長らく工学の一部とされてきましたが、本来は総合的な技術であり、芸術であり、社会そのものであるべきです。よって、入学前に理系であっても文系であっても、建築やまちに興味があり、それを学びたいということが重要なのです。多様なバックグラウンドを有する学生が混在することで、新しい発想が生み出されることも期待されます。そのために、これまでの学習で不足している部分を補うためのカリキュラム・教育内容・教育体制も用意しています。

5)多様な人材の育成と卒業後の進路の多様化

これからの社会では、建築学の基礎的知識を持ちながら、さらに関連する周辺分野の知識や技能を習得した人材が望まれており、従来からの高度に専門化された建築学の各分野に加えて、多様かつ広範な分野(例えば、福祉、環境共生、まちづくり、ランドスケープデザイン、安全・安心 など)の教育にも重点を置いた学科やカリキュラムを用意し、そうした社会的なニーズに応えていきます。

6)きめ細かな教育プログラム

従来は1,2年次に集中して学んできたいわゆる一般教養科目を1~4年次に分散配置することにより、専門教育と一般教養教育とを有機的に結びつけて、建築学部が目指す、専門だけに偏るのではない全人格的な建築のプロフェッショナル育成の目標を達成できるような教育プログラムを確立しました。これによって、1,2年次の教育で建築の多様性を早い時期に理解した上で、3年次からの各専門分野でより高度できめ細かな教育を実現することが可能となります。

7)教育の達成目標のひとつとしての資格への対応

建築に関わる資格は、建築士資格(一級建築士、二級建築士、木造建築士)がその中心としてあげられます。この建築学部においても、卒業に必要な単位を修得すれば、これらの受験資格(一級建築士においては卒業後2年の実務経験が必要)を得られるようなカリキュラム及び履修規定を整備しています。

3つの学科・12の分野

「建築学部」に設置する3学科の特色

工学院大学建築学部の3学科の役割は、建築に関する古典であるヴィトルヴィウス(Vitruvius)の「建築は、強さ(firmitas)と用(utilitas)と美(venustas)の理が保たれるようになされるべきである(森田慶一訳)」に基づいています。
「用」は人が生活する建築やまちが快適で持続性を持っているものにすること、「強」については災害に強く、また将来にわたって使い続けることが可能な建築をつくり、維持すること、「美」はデザイン的に、機能的に優れた美しい建築・インテリアを追究することであると言えます。

用

まちづくり学科 Department of Urban Design and Planning

まちづくり学科では、これからの私たちがより快適に住み続けられるためのまちの新しいあり方を考え、身近なまちについて考える様々な視点を学修・研究します。建築の基礎的な素養・知識をベースにしてまちづくりを学ぶことで、より実現性の高いスキルを身につけられるのが、この学科の特徴です。

強

建築学科 Department of Architecture

建築学科では、人口減少社会、高齢社会、環境負荷軽減等の社会的な課題を背景として、建築をただ単に「つくる」だけではなく、それを使い続けたり、建築材料を資源として循環させたり、これからの新しい建築のあり方を規定するための高度な要素技術(計画、構造、設備、生産)を学びます。

美

建築デザイン学科 Department of Architectural Design

建築デザイン学科では、単に美しいだけではなく、機能的にも優れ、快適で使いやすい人間のための建築デザインとは何かを考え、建築の意匠デザイン、住宅・店舗等のインテリアデザイン、高齢者等に配慮した住環境デザイン、重要な建造物の保存・再生に関わるデザインなどを学び、新しいデザインを創造・発信していきます。また、同時に環境への配慮や人間の生活の質(Quality of Life)をも考慮した建築のあり方を学んでいきます。

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